年頭所感

岐阜県環境整備事業協同組合
理事長  玉 川 福 和
昨年を象徴する文字は偽でありました。
あらゆるところで偽装があり、発覚しました。
突然偽装が多くなったのではありません。耐震偽装などは昭和40年代から言われていましたが、社会的に大きな問題にならなかっただけです。なぜ大き
く取り上げられるようになったのでしょう。突き詰めれば「議会の変化」と言える。最たるものは年金です。年金も1件ずつとらえれば小さな問題でも集まれば5千万件になり、大事件となりました。ただ、大きくなりすぎて、ものの本質が見えにくくなっている感がある。
 全国環整連の運動を振り返ると、単独浄化槽の存在が原点でありました。単独浄化槽は私達の生活そのものでした。でも生活を支えるには十分であっても処理能力は不十分でした。平成5年当時は年間40万基ほど設置される単独浄化槽が、なんとか合併浄化槽にならないかと考えるようになり、結果として平成12年青山丘衆議院議員と巡り会い、議員立法で単独浄化槽新設廃止を7年目にして実現しました。なぜ単独浄化槽を廃止したかったか、考えるとそれは生活環境の保全をすると錦の旗を立て清掃という仕事をするが、単独浄化槽は雑排水を処理することができず、どれだけ維持管理をしても河川の環境保全には役に立つことができない実態があった。つまり生活を支える為、しているに過ぎない「仕事の結果」に満足することができなかったからである。

 今では新設浄化槽は少なくなったとはいえ、年間20万基以上設置される。下水道建設費換算1兆円規模である。これで満足すれば、私の周りの人達は平和であったかもしれない。でも、問題は2つある。1つは下水道と同等だと言われ補助金まで付けた合併浄化槽が、さらに税金を使い下水道に接続されるという現実に対し、各政党に下水道法改正する必要有りと提言中。もう1つは平成18年5月発出された保守点検回数に関する通知文に「通常の使用状態において定められた期間中に1回を超えて保守点検を行うにもかかわらず当該基準に照らし説明できないことは望ましくないと考える。」とされたにもかかわらず、説明できない不必要な点検回数を未だに改めようとしない業者がいることである。この問題は昨年末の国会でも取り上げられ執拗に言い逃れしようとする政府参考人を見かねた環境大臣が、自ら判断をするとして現地調査すると大臣答弁した。

 多くのニュースから学ぶべきは、偽装する人、黙認する人、浄化槽に関わる全ての人が「偽」(いつわり)は止めよう、決別しようということにある。
 苦しい言い訳は「偽」であるから と !!